本能で恋を
それが首筋と胸元近くに数回行われると、
葉月がやっと離れていく。
少し離れた所から、自分がさっき顔を付けた場所を見て、満足そうにニヤッと笑った。
ああ……いつもの葉月だ。
その後は、弱々しい葉月は居なく、いつもみたいに意地悪い顔をする葉月とゆっくり話しながら時間を過ごした。
変わったのは、私が「葉月」と呼び捨てにするようになった事と、葉月が私の首元を見る度に嬉しそうな顔をする事。
次の日…
「……………あ…愛歌…」
朝私を見た瞬間に、セナが首を凝視する。
「セナ?何?」
分からないで居る私に手鏡を渡して、「首…首…」
というセナに眉を寄せながら手鏡で自分の首を見る。