狼系強引カレシ~幼なじみと甘い恋~
面食らった顔してるのが自分でもわかる。
振り返ると、息をあげて肩をゆらした ちぃが立っていた。
「…お前っ、なんでこんなとこに…」
「やっぱり!こーたちゃんが喧嘩してるんじゃないかって思って…!」
「チッ…あぶねぇから逃げてろ!」
目を潤ませて。その場でたたずむちぃに俺は思わず舌打ち。
この場で担いで避難させたいところだけど、こいつらならどこまでも追ってくる。
これじゃあちぃが危険だ。
くそ…
タイミング悪い…
「おいおい、女だ。女が出てきたぞ…」
やばい、相手が反応し始めてる。
「ちぃ!逃げろって言ってんだろうが!!」
「こーたちゃんと一緒に逃げるのっ!!!!」
震えてるのが目に見えるくらい離れていても敏感になっていた。
俺の手もいつしか震えてるし。