狼系強引カレシ~幼なじみと甘い恋~
「隼人!ずらかんぞ!」
「マジで言ってんのか!…まぁ女の子つれてちゃ無理ないな」
そう言って隼人は 目で合図した。
先にいってろとでも言いたいのか。
ったく……昔からこれだよ。警察がくるたび先にカタをつけたがるのは隼人だ。
俺はちぃを担いでその場から離れた。
ちょうど学校の裏門にまで走ってきた頃、小さく耳元で声がした。
「……じゃないの」
「あ?なに?」
俺がちぃを地面におろして 顔を覗き込んでみた。
……泣いてる……?
「こーたちゃんのバカって言ったの!!」
鳴り響く上ずった声。しゃくりあげながら発した言葉を理解するのに少し時間がかかった。