水面に浮かぶ月
光希は口を塞ぐように透子にキスをした。
そのまま、もつれるままにベッドに移動する。
「愛してるよ、透子。透子は俺だけのものだ」
光希は少し、痩せたような気がする。
そんなことに、透子は胸の痛みを感じて、余計、愛しさが増していく。
光希は透子の胸の上のあたりに唇をつけた。
「ダメよ、光希」
「どうして? 裸にでもならなきゃばれないよ」
透子の柔肌の、そこだけルビーのような色に染まる。
光希は透子にキスマークをつけたのだ。
確かに、ぎりぎり隠すことはできるだろうけど。
でも、光希がこんなことをしたのは初めてだった。
戸惑う透子に、光希は細めた目をし、
「俺が言い出したことだとはいえ、あんなやつにいいようにされたんだ。これくらいしなきゃ、気が治まらない」
透子は抵抗する術を失くした。
確かに、光希のためにやったことだ。
とはいえ、透子がリョウに抱かれたことは紛れもない事実なのだから。
光希の奥底に秘めた怒りを、透子はその身でひしひしと感じ取っていた。
だからこそ、光希のいいようにさせてあげることしかできなかった。
それで光希の気が済むなら、と。
光希は『M』の指輪を嵌めた右手で、透子の頬を撫でた。
「なぁ、透子。俺を愛してるって言って。俺だけだって言ってよ」
ふたりは人一倍、愛に飢えていたのだろう。
愛されたくて、より確かなものを、お互いに対して求めていたのかもしれない。
そのまま、もつれるままにベッドに移動する。
「愛してるよ、透子。透子は俺だけのものだ」
光希は少し、痩せたような気がする。
そんなことに、透子は胸の痛みを感じて、余計、愛しさが増していく。
光希は透子の胸の上のあたりに唇をつけた。
「ダメよ、光希」
「どうして? 裸にでもならなきゃばれないよ」
透子の柔肌の、そこだけルビーのような色に染まる。
光希は透子にキスマークをつけたのだ。
確かに、ぎりぎり隠すことはできるだろうけど。
でも、光希がこんなことをしたのは初めてだった。
戸惑う透子に、光希は細めた目をし、
「俺が言い出したことだとはいえ、あんなやつにいいようにされたんだ。これくらいしなきゃ、気が治まらない」
透子は抵抗する術を失くした。
確かに、光希のためにやったことだ。
とはいえ、透子がリョウに抱かれたことは紛れもない事実なのだから。
光希の奥底に秘めた怒りを、透子はその身でひしひしと感じ取っていた。
だからこそ、光希のいいようにさせてあげることしかできなかった。
それで光希の気が済むなら、と。
光希は『M』の指輪を嵌めた右手で、透子の頬を撫でた。
「なぁ、透子。俺を愛してるって言って。俺だけだって言ってよ」
ふたりは人一倍、愛に飢えていたのだろう。
愛されたくて、より確かなものを、お互いに対して求めていたのかもしれない。