君と見てた空






 彼は私の耳元に顔を寄せ





 低い声で言った。








「紫苑を知ってるか」






 地を這うような声。





 まるで、悪魔の囁き声。






 背筋がゾクッとして





 体が震えた。






「知ってるな?」






< 52 / 109 >

この作品をシェア

pagetop