守ってあげるよ。

「肩に手を置かれた瞬間、死んだように真っ青な顔になってさ。すっごい震えてたから、俺らもやばいって思って、仲間の1人が止めたんだよ。」


あたし、そんなに震えてたんだ…

「ほんと、お前みたいな奴、初めてだったからさ…、心配になって追いかけてきた」


「大丈夫です、あたしは…。お構い無く。」

立ち上がろうとしたあたしの手を、ぐいっと掴んだ。


「大丈夫じゃねーだろ!それにお前…式場わかんのか?俺が案内してやる」


「別に、自分で探します…だから―」

「いいから!行くぞ!」

そういってあたしの手を掴んだまま歩き出した。
…手を離してほしい。
掴まれただけで、あたしの過去が甦るから―


「あの…手…」
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