守ってあげるよ。

「あ、すまねぇ」

そう言って手を離してくれた。
よかったあ。

「ほら、ここが体育館。式場だ。」

「ありがとうございました、じゃあ…」

「あ、待て!」

??

そしたら急に聞いていた。
「名前、教えてくれ。」

「倉見…杏奈です」

「俺は小浦龍。覚えとくから」
覚え…とくから?

そう言って、去っていった。
その背中を、消えるまで見つめていた。

あの時のあたしはね、
見た目めっちゃ怖いのに、親切な人だなーって思ってただけだった。まさかね、君を好きになるとは思わなかったんだよ?

これが君との、出会いでした―


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