two hearts~年下の彼と私~












それから場所を移動して喫茶店で話をすることになったけど……



やっぱりたっくんの表情は暗い。



叩かれた左頬は少し赤くなっている。




きっと誰よりもびっくりして痛くて辛かったと思う。



あやは何も出来なかった……





庇うことも…



何も出来なかったんだ…







私とたっくんは隣同士に座った。



たっくんは手を固く閉じている。




すごく不安で緊張してるのが痛いほど分かる。



だから時々たっくんの脚や手に触れた。




『あやはここにいるよ』




『あやはたっくんの隣にいるから

 忘れないで………

 たっくんは1人じゃない……』




それが伝わればいいと思って触れる。



でもそれだけじゃやっぱりダメみたい…



あやじゃ、この不安や恐怖を取り除いてあげられない………




ごめんね………



何も出来なくて……



…………ごめん…………










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