【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
「む、胸が……その、大きくたって。顔
がブスじゃ――……」
「ブスじゃねぇよ」
遮られた言葉に、思わず目を見開く。
まさか辻宮からそんな言葉が出てくると
は思いもせずに、目をぱちくりさせた。
「自信もてよ。俺の女だろ?」
俺の女……って…。
「あんたなんかの女じゃないし……」
だけどそう呟いた声は掠れていて、あま
りに小さくて。甘酸っぱい胸のドキドキ
には勝る要因も無く。
悪戯に心をかきみだされるだけ。