【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
俺が知る女の中で、きっと一番に可愛い
から。
そのままで、居て。
汚れを知らずに、ただひたむきに俺だけ
をその瞳に映してれば良いんだよ。
俺だけに、溺れてれば。
この腐った社会で、上手く立ち回る術な
んて覚えなくていい。
ただ、ぶつかっていけ。
それをサポートしてやるから。俺が、お
前を守ってやるから―――……。
「―――辻宮様、いかがですか?」
不意にそんな声が聞こえてきて、俺はハ
ッとした。
どうやら髪のセットが終わったらしい。