【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
そう。俺は長男だから。
家を継がなくてはいけないというプレッ
シャーがいつものし掛かってきて、俺は
それを手放せずにかかえこんでいる。
―――"長男だから仕方ない"
それはただ、自由というものから逃げ出
す為の言い訳。
自由を何よりも欲しがっているのに、そ
れはあまりに眩しくて手が届かずに。
俺は触れる直前で逃げ出すんだ。
隼人は、黙りこんだ俺を、ニヤッと笑い
ながらのぞきこむ。
「秋、パートナー見つけたんだって?」
「……まあ」