【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
馬鹿……。
演技のくせに、惑わせないでよ。
「私……は…裏切らない―――」
そう呟いた瞬間、身体を抱きよせられ。
突然のハグに、胸が大きく高鳴って、身
動ぎすら許されずに。
「お前、今の言葉、忘れるなよ―――」
耳許で、私にしか聞こえないような声で
そう囁かれ。
キュウキュウと胸を締め付ける切なさと
、狂おしい程の悲しさに見舞われた。
「わかってる……」
私はあなたの下僕のような存在。
私はあんたになんて、服従も跪きもしな
いけど。
"傍に居ろ"と願うのならば。
あんたが飽きるまで、傍に居てやるわ。