【完】狼ご主人様と子羊ちゃん





こんなタイミングでそんなことを言い出
す辻宮を訝しげに見ながらも、



「仰せのままに、ご主人様」とちょっと
なげやりに言う。



「……さっきの質問に答えろよ」



「……本能のままって言われても、特に
は無いかな……。強いていうなら……」



「強いていうなら?」



「―――永遠の、幸せと命が欲しい」



わかってる。

そんなのどんなに欲しくても、望んでも
、絶対に手に入らないって知ってる。



そんなファンタジーな願い事、抱くだけ
で無意味で、馬鹿なだけ。



だけどきっと誰もが願ってるんだ。



"永遠"が欲しいんだと。




「……金じゃねーの?」






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