【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
そう言えば、もっと私が恥ずかしがって
、どうしたらいいのかわからなくなるっ
て、知ってて言ってるのか。
可愛い、なんてきっと誰にでも言ってる
にちがいない。
―――そう、思わないと。
なんだか全てが壊れそうな気がした。
私が私じゃなくなりそうで怖かった。
「……変なこといわないでよ!」
「変って……。お前の方が、よっぽどお
かしいよ。もっと素直になればいいのに
。俺に媚びればいいのに―――」
ふと、辻宮が嘲笑した。
瞳が限りなく濁って、光を失う。
「……なあ、ちょっと昔の話をしようか
」
辻宮の心が、叫んでいた。
"タスケテ"って―――