【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
□繋がる想い□
◇後悔、あの日の俺は。*秋side
俺の初恋は、中2の冬だった。
今ではそれを、"恋"と呼ぶことにすら、
嫌悪感を抱き、煩わしいとさえ思ってい
る。
あの日の俺は馬鹿だった。
『音宮縁〔オトミヤユカリ〕です。ヨロ
シクね!』
中2の冬、隣のせきになった女は、そう
言って俺にわらいかけた。
笑顔がすごく綺麗だと、思った。
純粋で、天使のようで―――
ずっと見ていたくなるような、綺麗な笑
顔。
―――その笑顔を殺したのは、他の誰で
もない。俺になるのだと。
この時の俺に、一体なにがわかったのだ
ろう―――……
縁には、もう中3の先輩に、パートナー
が居たし、俺にも、適当に選んだパート
ナーが居た。