【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
―――そう思ってたけど、縁のパートナ
ーは少しちがくて。
"お願いだから縁だけは……っ"
酷く醜い行為だっと知っていながら土下
座をしてくる縁のパートナーに俺は僅か
に胸が傷んだ。
だけど俺は、縁を手離したくなかった。
縁が消えていくのが怖かった―――。
どんなに懇願されても、俺は受け入れず
、それどころか、更にソイツを窮地に追
いやった。
『……ヨロシクね、秋』
そして、晴れて縁は俺のモノに。
その時の縁の笑顔があまりに切なくて、
儚げだったのを、俺はいまでも覚えてる
。
今ならわかる―――。
あの時、縁は自分の純粋さ、優しさを全
て笑顔の奥へと葬ったのだと。
彼女は悪魔になったのだ。