【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
その事に、ひどく安堵している自分がい
て、情けなくなる。
縁を自分のモノにしてもまだ、恐怖が巣
食っている。
きっと心のどこかで気付いてたんだろう
。
彼女の心が、俺に向いていないことを。
だけど俺はますます彼女に嵌まっていく
ばかりだった。
それすらも彼女の計算だとは知らずに。
運命だと思っていた。男のくせに女々し
いなっていわれても。
どんなにその想いを否定されたとしても
、俺はそれを貫く覚悟があった。
そう例え、世界中が俺らに後ろ指を指し
たって構わないって。
そう思っていた。
……全ては、必然だったのだ。
俺が彼女に惚れること、裏切られる事。