【完】狼ご主人様と子羊ちゃん




私は立ち上がって、使用人さんの元に行って、一緒にコップを拾い上げた。



「手伝いますよ」



そう言った時に、驚いたように私を見上げたその人は、涙で濡れていて。



後から、繭や瑠璃も手伝ってくれた。



ふと、辻宮が「ちっ。ズボン汚れた……」と呟いたのを、私はききのがさなかった。



私はすくっと立ち上がって、辻宮を睨み付ける。



「あんたは自分のズボンの事しか心配できないの!?」





< 20 / 431 >

この作品をシェア

pagetop