【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
◆微笑、悪魔到来。
「……あなたもあんな男とは、一刻も早
く手を切ることね」
そう言いながら、口の端をニヤリ、と上
げた美少女。
悪魔だと、思った。
───事件が起こったのは、一週間前の
事だった。
「常山陸人です。よろしくお願いします
」
───冬。緋色学園に、転校生がやって
来た。
常山陸人。事情があって留年したらしく
、実際は一つ上の男の子。
短く切り揃えられた黒髪と、ぱっちりし
た瞳。筋肉質な身体。
正統派なイケメンって感じがした。
最初は、なんだか聞き覚えのある名前だ
と思っていただけだった。
そして次の瞬間、その理由を知った。
「そして、俺のパートナー枠で入学した
音宮縁を紹介します」