【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
◆保健室、翳る瞳。
食堂から保健室は、そう遠くなく、あっという間についてしまった。
ガラッと辻宮が思い切りドアを開けて、私を押し込む。
そのまま水道に連れて行かれて、次の瞬間ーーー。
「……っ!!?」
私の顔は、真っ赤になってしまった。
私の手のひらを、辻宮が自分の方へ引き寄せて、傷口に唇を押し当ててきた。
辻宮の柔らかくソフトな感触を直に感じてしまって、顔が火照っている。
こんな事で赤くなるなんて、私って変態かもしれない……。