【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
『結婚じゃねえ、婚約だ。まだ俺は結婚
できる年じゃないから』
『や、そういう意味じゃなくて……な、
なんで…』
混乱しすぎて、あわあわする私を、クス
ッと笑った辻宮。
すると、私の顎に手を当てて、クイッと
上を向かせた。
妖艶さを称えた辻宮の瞳と、ぶつかる。
『なんでって……お前が、好きだから』
『……っ!い、いつから…?』
そう尋ねると、辻宮はニッコリと微笑み
、私を掴んでいた手を離した。
『美里、明日、デートしよう。その時に
色々教えてやるよ。ああ、勿論、拒否権
は無いけどね?』
「───……思い出した……」
そしてすごく恥ずかしい。頬が熱を持っ
てるもん。