【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
「あれお父さん、仕事は?」
「ん?今日は休み───……って美里、
なんだその服!?」
新聞を読んでいたお父さんが、私を見つ
けると、目を見開いてそう言ってきた。
「え、へ、変かな?」
「や、か、可愛いけど……いつも適当に
服着てるだけのくせに……」
やい、お父さん。それどういう意味よ!
まああながち間違ってはいないけど。
「ままま、まさか……か、かれ、彼氏…
…」
「ま、まだそうと決まった訳じゃないし
っ!」
"彼氏"って言葉がなんだか恥ずかしくて
、カアッと真っ赤になりながらリビング
から逃げ去る。
「まだって……」
そう呟きながら放心状態になるお父さん
から逃げるようにして、外に出た。
……もー、朝から心臓が忙しい。