【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
そう呟くも、返答はナシ。
だから起きるまで待ってようと思い、そ
のさらさらと揺れる前髪に手を伸ばした
。
触れた所から、熱を帯びる身体。
じわじわと溢れ出していく思いは、どん
どん募って。
「大好き……」
思わずそう呟いたその瞬間、ぐるり、と
景色が反転した。
「───……え?」
視界を埋めつくすのは、天井と、───
ニヤリと笑った、辻宮と。
背中にはベッドの感覚。
「おはよ、美里」
「お、おは……?」
「俺のこと、大好き、なんだ?」
に、と口角を上げてそう言った辻宮に、
カアッと身体が熱くなっていく。