【完】狼ご主人様と子羊ちゃん




そう言うと、ちえ、と言いながらベッド
に座った辻宮。



それから照れ臭そうに頭をガシガシと掻
いた。



「……悪いな。ほんと、嬉しすぎて」


「……大げさだよ」



辻宮が照れるなんて、滅多にないから、
こっちまで照れてしまう。



だけどすぐに、辻宮は余裕そうな笑みを
浮かべて、そっと私の頬に触れた。



「……これで、色々出来るな?」


「……い、色々、って───」


「カレカノにしか出来ねー、色んなコト
、だよ」



ニヤリと笑った辻宮に、嫌な予感を覚え
たのは、言うまでもない。











「……あんた、今、何て言ったの!?」



三学期の一番初めの日。





< 288 / 431 >

この作品をシェア

pagetop