【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
そう言うと、ちえ、と言いながらベッド
に座った辻宮。
それから照れ臭そうに頭をガシガシと掻
いた。
「……悪いな。ほんと、嬉しすぎて」
「……大げさだよ」
辻宮が照れるなんて、滅多にないから、
こっちまで照れてしまう。
だけどすぐに、辻宮は余裕そうな笑みを
浮かべて、そっと私の頬に触れた。
「……これで、色々出来るな?」
「……い、色々、って───」
「カレカノにしか出来ねー、色んなコト
、だよ」
ニヤリと笑った辻宮に、嫌な予感を覚え
たのは、言うまでもない。
「……あんた、今、何て言ったの!?」
三学期の一番初めの日。