【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
◇カフェ、尋問タイム。
とぼとぼと食堂に戻ると、瑠璃と繭が興奮状態で出迎えてて来た。
「ちょ……!美里!帰りしっかり聞かせて貰うわよ!」
「え、な、何を?」
二人の気迫にやや怯みながらそう訊くと、当然の事のように繭が口を開いた。
「辻宮様との事に決まってるじゃない!」
辻宮と一緒に抜け出したのは、そんなに興味のもてる事なのかな……。
そうは思ったけれど、ぐるっと回りを見渡して、納得した。
私を、異常な物でもみるようにじとっと見つめてくる。
こんな形で、注目なんて浴びたくなっかったんだけどなあ……。
はあ、と息をついて、もうすっかり冷めてしまった鴨のステーキを平らげた。