【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
瑠璃も繭も、教室のドアの所に立ちなが
らニヤリと笑ったソイツをみて、呆然と
してから。
焦ったように頭を下げた。
「辻宮様……!お疲れ様です!」
「や、そんなかしこまんなくていーし。
お疲れ様なのはそっちも同じだろ。美里
、家まで送ってやるから下駄箱で待って
る」
「え、あ、うん」
コクン、と頷くと、辻宮がくしゃくしゃ
っと私の頭を撫でてから、微笑んで、下
駄箱の方へと去っていった。
……あの微笑みは反則だ。
「……ちょっと美里ぉ!」
ぽけーっとしながら辻宮の後ろ姿を見送
っていると、背後から瑠璃にタックルを
かまされた。
「ごふっ……」
「今の何!?誰!?もー!甘過ぎるんだ
けど!」