【完】狼ご主人様と子羊ちゃん




瑠璃も繭も、教室のドアの所に立ちなが
らニヤリと笑ったソイツをみて、呆然と
してから。



焦ったように頭を下げた。



「辻宮様……!お疲れ様です!」


「や、そんなかしこまんなくていーし。
お疲れ様なのはそっちも同じだろ。美里
、家まで送ってやるから下駄箱で待って
る」



「え、あ、うん」



コクン、と頷くと、辻宮がくしゃくしゃ
っと私の頭を撫でてから、微笑んで、下
駄箱の方へと去っていった。



……あの微笑みは反則だ。



「……ちょっと美里ぉ!」



ぽけーっとしながら辻宮の後ろ姿を見送
っていると、背後から瑠璃にタックルを
かまされた。



「ごふっ……」


「今の何!?誰!?もー!甘過ぎるんだ
けど!」





< 290 / 431 >

この作品をシェア

pagetop