【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
でも……。
美里はきっと俺から、離れていかないよ
な……。
ていうかほんとにこれ、現実なんだろう
か。最近幸せすぎる事ばっかり起こって
るからなんか半信半疑だ。
美里に大好きだって言われた日から、美
里がいつもよりほんのちょっと、素直に
なった気がする。
キスしても嫌がらないし。
それ以上に進もうとすると容赦なくはね
除けられるんだけどな。でも、美里とい
ると、理性を手放しそうになる。
ただ、怖がらせたくないから……頑張っ
て抑えてはいるんだけど。
「……いつまで、もつかな…」
ふう、とため息をついていたら、横から
遠慮がちに声が聞こえてきた。
「あの、辻宮様……」
呼ばれて振り向くと、同じクラスの男子
がたっていて。
「柊さんが呼んでますけど……」