【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
「この俺を待たせるとか、いい度胸して
るよな」
まあ別に待ってないけどね、そんなに。
「俺様……」
「ん?なに?」
「イエ、何でもありません」
まあばっちり聞こえてるけどね?
別に俺様キャラを目指してるんじゃない
というか、ただ、こういう性分なだけで
。それに。
意地悪したいって思える女の子は、美里
だけだし。
ふと、美里が近づいてくる気配を感じて
、次の瞬間───。
ふに、と俺の頬を、柔らかい何かに押さ
れた。
ビックリして美里を見れば、小さく震え
ながら真っ赤になってる美里がそこに居
て。
頬にキスされたんだって、気付いた。