【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
◇男友達、転校生。
ここ、緋色学園には特設ルールがあり、
二年生からは必然的に、パートナーの人
と同じクラスになるんだとか。
まあ、同じ学年でパートナーがいるなん
て滅多にないからほとんど幻の特設ルー
ルだけど。
そして、四月。
私の隣には───……。
「やだ……降ろしてよ、辻宮!」
「んー、無理」
隣……いや、後ろには、私の肩に顎を預
けた辻宮。
二年生に進級して、辻宮と同じクラスに
なったとたんにコレ。
いきなり腕を引っ張られたと思えば、辻
宮の膝の上に乗せられてしまった。
しかも腰をがっちりホールドされて、抜
け出せない。
「み、皆見てるよ……っ」
「知ってる。つか見せてんの」
な、なんでそんな無意味なこと……!
「そんな無意味な真似、しなくていいで
しょ!降ーろーせーっ!」