【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
「繭!連れてきた!」
「オッケー。じゃ、乗って!!」
二人の慌ただしく繰り広げられる会話を、ボーッと眺めていると
「美里早く!」
と背中をぐいぐいと押されて、大きな黒い車の中に乗せられていた。
車の中を見て、私は絶句してしまう。
座席はどれもふわふわだし、なんかカーテンついてるし、お菓子にお茶に果物まである。
……私の部屋よりも、確実に豪華だよ、これ。
繭の車は、動く部屋のようで、更に付き人っぽいのも二人いて、お嬢様だということを改めて感じた。