【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
やがてしばらくすると、担任の先生が入
ってきた。
それに合わせて、日直の人が号令をかけ
る。
さすがの辻宮も私から離れて、自分の席
についた。───といっても、お隣さん
なんだけど。
着席、の声と同時に、皆が椅子に座り、
目の前の先生が喋りだした。
「えー……、今日は突然だが、転校生を
紹介する」
その瞬間、少しざわめく室内。
そんななか、私は自分が転校してきた時
の事を思い出していた。
あの頃は、こんな価値観の違う人たちと
仲良くできるのかなって不安だったけど
、今じゃ全く違和感ないや。
相変わらず食堂のくせに、フルコースの
ランチが出てくるのは理解不能だけど。
「辻宮、転校生だって。知ってた?」
「いや、別に」