【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
斗真の目線の先に居るのは、勿論辻宮。
───それも、今朝と同じで、私を膝に
乗せた状態で。
授業が終わるなり腕を引っ張られ、膝に
無言で乗せられた私。
抵抗と抗議をしようとしたけど、私を乗
せた辻宮から、あまりにどす黒いオーラ
が漂っていた挙げ句に、無言で睨まれた
ので、出来なかった。
もうどうにでもなれ、と半ばやけくそで
今に至る。
「仲が良いんだね。柊はいつもすぐにク
ラスに溶け込んで、人気者になるよな」
にっこり笑ってそう言った斗真に、思わ
ず目を見開く。
「なにいってんの。それは斗真でしょ」
「俺?俺なんか全然だよ。柊には及ばな
いし」
いやいやそんなご謙遜を……。
「でも私、結構口煩かったし、男子には
嫌われてたよ」
「や、それはないから」