【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
連れてこられたのは、穏やかな雰囲気の漂う喫茶店だった。
「さ、入ってちょうだい」
瑠璃に押されて、喫茶店の中に入れられる。
すると、スッとスーツ姿の、男の人が二人、両側に出てきた。
「いらっしゃいませ。瑠璃様」
「この二人を席にご案内して差し上げて」
そう言うと、はい、と返事をして、私と繭を案内してくれた。
「る、瑠璃……ここって」
もしかして。いやそんなまさかとは思いながら、ちらっと瑠璃を仰ぐと瑠璃は不敵に笑った。
「私が経営してる、喫茶店よ」