【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
「あのさ、俺、自分の女が他の男と仲良
くしてて喜ぶ趣味はないんだけど?」
「あ、の……」
「俺さ、独占欲強いんだよね」
そう言いながら、私の首もとで揺れる、
ネックレスを指で弄る辻宮。
このネックレスは、ホワイトデーに辻宮
がプレゼントしてくれたもので、ピンク
ダイヤモンドだとか言ってたのでびっく
りして辻宮に返そうとしたら睨まれた。
"ずっと付けてろ"と言われたので、壊れ
たらどうしようとびくびくしながら、常
に胸元で光っている。
「───ネックレスって、首輪の意味も
あんだよ」
「はい?」
「だからお前にあげたの。男避けにもな
ると思って。なのに、なに、あれ」
また一段と低くなった声。
「紀藤……だっけ?なにイチャイチャし
てんの」
「い、イチャイチャなんか……」