【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
はぁ、とため息をついたとき。
「あれ、辻宮?」
ひょっこりと現れた美里。
急に出てきたから、ビックリして俺は目
を見開いてしまった。
「み、美里……?」
「こんなとこでなにしてんのー?」
この様子だと、どうやら俺が紀藤妹と話
してたのは気付かなかったらしい。
「ちょっとな。……美里は?」
「っえ!?」
……え?
美里は、って訊いただけなのに、何故か
これでもかってくらいに真っ赤になった
美里。
なんだ、その反応。
「ちょ、ちょっとね……」
「ふーん、はぐらかすんだ?俺、ご主人
様なのに」