【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
……ズルいのはどっちだよ。
いつもそうやって、俺の理性を壊しに来
る。
抱き締めたくてたまらない衝動をどうに
か抑えて、美里を見つめ返すと、美里が
小さく口を開いた。
「辻宮が……好きだから……大好きだか
ら……」
ああ、もう、どうしよう。
「知ってる」
俺はそう言って、にやける口元がバレな
いように、美里を抱き締めて顔を埋めた
。
こんなんで死ぬほど嬉しいなんて、俺も
単純だ。
「……俺も、好きだ」
そう耳元で囁くと、美里の耳朶が真っ赤
に染まって、それがすごく愛しかった。
翌日。