【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
そう愚痴りながらも、来てくれる斗真は
やっぱり優しい。
───翌日。
「えー、もう帰っちゃうのー!?」
朝食は皆で食べることになり、このあと
すぐに帰ることを伝えれば、弥生が不満
そうに唇を尖らせた。
「うん。明日フツーに学校だしね」
「えー、寂しいよ!」
そう言って、ぎゅうっと私の腕に抱きつ
いてくる弥生。
可愛いなあ、弥生は。
それから、また皆に見送ってもらい、今
は新幹線の中。
どんどん遠ざかっていく景色に、少し胸
が痛んだ。
ふと、隣で斗真が欠伸をした。
「斗真、眠いの?」
「うん、誰かさんのせいでね」
そう言いながら、チラッとこっちを見た
斗真。