【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
……え、なにその視線。
「わ、私のせい?」
「他に誰が居るんだよ。あれは拷問だっ
たな、うん」
拷問?なんで……。
ちょっと眉を潜めたけど、斗真はそれ以
上は教えてくれなかった。
───そして……。
「お帰り、美里」
東京駅につくと、そこにはにっこりと無
駄に煌めいた笑顔の辻宮が居た。
すごく輝いてる……、のに。
なんでこんなにも身体が震えるんだろう
。
ふと、斗真を見れば、斗真も少し青ざめ
ながら、
「ファ、ファイトだぞ、柊」
となんの慰めにもならないエールを私に
送って、帰っていった。