【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
そして二人きりになった。
いや、周りに人は居るんだけどね?そん
なの気にしてらんないっていうか。
「……楽しかったか?二人きりの旅行は
」
……やけに"二人きり"を強調してきたぞ
、コイツ。
「えっと……」
「とりあえず、疲れただろ?俺が送って
やるよ」
そう言って連れてこられたのは───。
「ちょ、ここ私の家じゃない……!」
「うるせーな。黙れ」
連れてこられたのは、辻宮の家。
しかも辻宮は、さっきの笑顔が嘘のよう
に不機嫌さを惜しみ無く滲ませている。
そして。
「わ!……ちょっと!降ろして!」
ひょい、と肩に担がれ、ビックリして手
足をじたばたとさせると。