【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
「俺様に命令してんな。じっとしてろ。
舌噛むぞ」
と、有無を言わせぬ物言いで私を黙らせ
た。
ヤバい……これは本気で怒ってるぞ?
そして、担がれたままやってきた辻宮の
部屋。
辻宮は部屋に入ると、私をベッドへ投げ
出した。
「ぶはっ」
ちょ、せめて背中から投げてよ!顔面か
らぶつかったんですけど!
鼻を擦りながら起き上がると、辻宮は、
ソファーに座って、その無駄に長い足を
組み、私を見下ろしていた。
「なんで俺が怒ってるか、わかるか?」
ゾクッと背筋をかけ上るような、低い声
。
私はベッドの上で正座して、上目遣いで
辻宮を見上げた。