【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
するり、と指先をその白い首筋に滑らせ
ると、美里がぎゅう、と目を瞑り。
「す、すとっぷ!!」
と叫んだ。
「わ、わかったから!私が悪かったから
、とりあえず話そう!ね?」
そう言った美里に、それもそうだな、と
納得し、起き上がると、ふう、と安堵の
息をつきながら、美里も起き上がった。
「……とりあえず、いきなり住めって言
われても、困る。お母さんにもお父さん
にも辻宮と付き合ってるなんて言ってな
いし、それに同居なんて───」
「ああ、心配するな。それはもう許可を
得ている」
俺様を誰だと思ってる?
全ては綿密な作戦であり、どこにもぬか
りなんて無いのだから。
「でも、なんでいきなり同居……」
「正式に、お前を婚約者として迎えたい
からだ」
そう言うと、美里の動きが止まった。
「親父に美里を紹介する」