【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
ウキウキとドキドキが入り交じりながら、職員室へと向かった。
失礼します、と中に入って出迎えてくれたのは、担任の村松先生。
柔らかい微笑みと、目尻の温かい皺が、優しそうな雰囲気だった。
「柊美里さん……かな?」
「あ、はい…」
「この度は入学おめでとう。良かったね、入学式が終わってから一週間で転校なんて、タイミングがいいね。
……これなら、契約者も選べるし」
「え?」
よく聞き取れなくて、そうききかえすと、焦ったように先生が笑った。
「いや、こっちの話だよ」