【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
まって……お見合いって、何?
ぐるぐると訳がわからなくなっていると
、テーブルの下で、誰にも見られないよ
うに、辻宮が手を握ってきた。
まるで、"大丈夫"とでも言うように。
「……申し訳ありませんが……。お見合
いは、しません」
「何故だ」
「俺にはもう、婚約したい女性が居ます
」
ドキッと高鳴った心臓。
それって……。
「……どこのお嬢さんだ」
「ここです」
辻宮はそう言うと、私の肩を抱き寄せて
、私を抱き締めた。
辻宮のお父さんの瞳が僅かに見開かれ、
そして細められた。