【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
温かいぬくもりが、私の身体を包んで、それが辻宮だってすぐにわかった。
「辻……宮っ……」
「ごめん、怒鳴って。頼むからさ、泣くなって」
そう言われたって、一度出てきた涙は止められない。
そもそも、あんな場違いな学校に通うことが間違ってたんだ。
「も、学校……辞めたいっ」
そう言うと、急に辻宮が
「主従制度、その一。従なる物は、主に逆らうことを禁ずる」
いきなりそんなことを言うもんだから、涙も引っ込んだ。
「……はい?」