【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
「驚いた……綺麗だ、すごく」
「……っ!」
私が真っ赤になって息を呑んだのと同時
に、瑠璃と繭も真っ赤になったのがわか
った。
辻宮は、ここ三年、今までも甘かったの
に更に甘くなった。
それで私の反応を見て楽しんでるんだか
ら、意地悪に変わりはないけど。
「ただ、美里……」
「何よ」
「お前も今日から、"辻宮"なんだけど」
ニコニコと笑いながらそう言う辻宮。
……言いたいことはわかる。でも。
「だ、だから!?」
私は素直じゃなくて、恥ずかしくてそっ
ぽを向いてしまった。
そんな私をクスクスと笑いながら、耳元
に唇を寄せてくる辻宮。