【完】狼ご主人様と子羊ちゃん




「───秋って、呼べよ」



誰にも聞こえないよう、私にだけ聞こえ
るように囁いた辻宮。



ボッと身体が赤くなる。



「……っ……う…」


「ん?聞こえない」


「……っ秋!」



半ばやけくそになりながらそう叫ぶと、
すごく嬉しそうに笑った辻宮が居たから
、なんでか拍子抜けしてしまった。



ズルい、そんな笑顔。



……いって良かったって、思っちゃうか
ら。














バージンロードをお父さんと歩いている
と、真理や弥生、斗真や洸太が見えた。



皆がニコニコ笑って祝福してくれるのを
見ると、泣きそうになる。






< 422 / 431 >

この作品をシェア

pagetop