【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
何度も"そういう"雰囲気にはなったけど
、寸前の所でやっぱり怖くなっちゃって
、どうしても踏み出せなくて。
なんだかんだで秋は優しいから、今まで
ずっと待っててくれたんだけど……。
「もう"待った"無しな」
どうやらそろそろ限界らしい。
「やっ、ま……んっ…」
懲りもせず、待って、と言おうとした私
の唇を塞ぐ熱。
両手で秋の胸板を押し返しても、全く動
かなかった。
「ん、……は…秋……っ」
「ごめん……優しくできねーかも……」
するり、と秋の手が、直接お腹に触れた
から、ビクッと思い切り跳ねる。
「やっ……!」
恥ずかしくて顔を背けると、耳朶を甘噛
みされた。
「──……美里」