【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
やめて。
耳元でそんな声で、そんな風に囁かない
で。
「美里、お願い」
「……っイジワル!」
私が断れないって、わかっててやってる
んだもん。
「……美里、可愛いよ」
「……っ」
──初めては、やっぱりちょっぴり痛く
て。
死ぬほど恥ずかしくて。
お互いの熱が籠って、意識もぐちゃぐち
ゃになって……。
だけどとびっきり、甘かった……。
秋は私の手をずっと握りしめながら、何
度も愛してる、と囁いてくれて。
そんな秋が、余裕無さげに、一生懸命に
何度も伝えてくるから……。
こういうのも悪くないかなって、思った
。
【END】