【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
何故なら、何故お仕置きされるのか、僅かに覚えがあったから。
次の瞬間、ダンッと壁に追いやられていた。
「ちょっと……やめ…やめて下さい」
ぷいっと顔を反らすけど、ぐいっと顎を掴まれて、元に戻されてしまう。
そのあまりの近さに、頭がどうにかなりそうで。
「________ 一つ、いい忘れてたけど」
「え?」
「お前のハジメテは、全部俺の物だから」
それってどういう意味、ときくまえに、私の唇が温かいものに塞がれる。
それが、辻宮の唇だって気付いた時には、もう唇は離れてた。