【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
「ちちち、近寄るんじゃないっ変態!」
そう言うと、更に強く抱き締められて、窒息しそうだった。
……なんの嫌がらせよ、このやろう!!
「おい。俺の召し使いのくせに、よくそんな口がきけるなぁ?」
という冷たい声が振ってきて、私は思わず。つい、うっかり。
「近寄らないでください、変態ご主人様」
と言ってしまったのだった。
もう口から出てしまった言葉は消せなくて。
抱き締められて、辻宮の顔は見えなかったけど、でも。